ちょっとうれしい 今日のほぼ日 

ほぼ日「今日のダーリン」より 糸井重里さんが、
本のことと、本田宗一郎氏のことを書かれていたので
うれしくって、思わずすみません。
引用させていただきます。



<本を読む。ことばを引き継ぐ。   糸井重里




いろんなおもしろい本やら、
役に立つ本やらがあって、
1000円や2000円で、
こんなにおもしろい気持ちにさせてもらったり、
こんな大事なことを教えてもらったりして、
よろしいのでしょうか、
と言いたいくらいのことが書いてあったりする。

(中略)





おそらく、読んで「うわぁっ!」と驚愕し、
一生忘れないようにしようとして、
なにかにつけて思い出している人だけが、
このことばを引き継いだ人なのだろうなぁ。
「100まんにん」に届いていても、
それは「100まんにん」には引き継がれないんだよな。
そういうものなんだな。




このごろ、本田宗一郎っていう人の本を、
まとめ読みしはじめたんだけど、
これが、もう、ダイヤモンドの原石が、
なにげなくごろごろしているんだよなぁ。
ちょっと引用しちゃおうかな。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(中略)


ブームだからつくったというのでは、どうにもわれわれは納得できない。
あの小型エンジンで強力なものを私たちがつくり出したから、
日本人に愛され、世界中に愛されるようになったという自負心を持っている、
そこへもってきて「ブームだから本田さんいいですねぇ」といわれたのでは、われわれは納得できない。




われわれはあくまでもブームをつくる人間であるべきだと思う。




<『俺の考え』本田宗一郎新潮文庫)より>

俺の考え 愛蔵版―ブームをつくる経営の秘密

俺の考え 愛蔵版―ブームをつくる経営の秘密

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


これを、いまさかんに
市場調査をやっている最中の
仲間に向って演説したら、
嫌われるだろうとは思うよ。
「ブームに乗れ」というビジネスをしている人にも、
否定されるかもしれない。

だけど、どっちが「ほんとう」かといえば、
ここで本田宗一郎が言ってることのほうだろう。
「どこに需要があるんだ?」を探すことばかりが、
仕事みたいになっちゃっている時代に、
このあたりを読んだら、しびれるよねぇ。
しかも、この発言、1960年代の初めのものだからねー。
(つまりは、昔からほとんどの人々は、
 「需要はどこだ」と探すばかりだったんだろうな)


だけど、これにしたって、
「あ、そうそう」「そうさ、知ってるよ」
なんて感情を揺さぶられないままに知っても、
ことばを引き継げないんだよねぇ。
「100まんにん」が、目にしたり、記憶してることば。
それは、建物にならない材木のように、
そこらへんで、ただの話のタネにだけなってるんだろうね。



読んでびっくりできるかどうか、
せっかく読んだのに忘れちゃってるじゃないかと、
じぶんに問いかけられるか、
そこらへんが、ことばを引き継ぐということかな。


ぼくも、いろんな本を読んだ
「100まんにん」のひとりとして、
じぶんのびっくりしたことばで、
じぶんのなにやらを建ててみたいもんだと思う。