心理学的芸術的コミュニケーション

ミステリーの私的読み方。
予想して、材料を並べ、作者の言葉にまどわされないよう
注意して2章の最後までいかないうちに
直感で犯人はわかってしまう。
だから犯人がわかった時点で、途中をとばして
犯人の名前が書いてある最終章のひとつ前あたりを読み、
「や〜っぱりね」と満足。その後
最初にもどってストーリーの組み立てを楽しむ。
いやな読者かも。ではなくて、いやみな読者?


ひたすら、ミステリーを読みあさったころがあり
その頃からミステリーは1冊、1夜で読み上げる。
宮部みゆきなんてやめられなかった。
それ以来で、本当に久しぶり。
S君のデスクにあり、何日か我慢したのですが、
借りてしまいました。


チームバチスタの栄光   海堂 尊  宝島社


チーム・バチスタの栄光


心理学的手法で、チームメンバーに話しを聞いていくプロセスは
会話の妙を得ていて、ムダなところがなく本当におもしろい。
推理小説は結果がすべてで、何度も読み直しはしないのですが
この本は別。
チーム内の相性についてなど、今まで考えたことのない
角度の表現を知ることができます。


結構のめり込んで読んで、映画まで見てきてしまった。
シビアな話しのはずですが、
何故か、笑いが館内に聞こえる映画になっており、
全ては、私の好きな阿部寛のキャラクターのため。
田口役が阿部寛だとばかり思っていた私は、
少しとまどったけれど…。




今、読んでいる本のもう1册

ミュージアムの仕事」  太陽レクチャーブック007 平凡社


ミュージアムの仕事 (太陽レクチャー・ブック)


まだ、「太陽」ってあったんだという気持ちで
思わず手にとりました。
1970年代、月刊「太陽」
芸術や自然を扱う自分の好きな専門誌でした。
芸術家の叔父の本棚から、自分の好きな分野を
こっそりぬいては、自分の本棚へ持ち帰っていたので。
(ごめんなさい。おじさん)


今、話題の美術館 金沢21世紀美術館の秋元氏、
あの直島の福武美術館も秋元氏の仕事だと知りました。
『私は”早い仕事”が好きなので、完成度が高くて
遅い仕事よりは、言ったことに対して完成度が6割でも
速く出てくる方が望ましい、仕事は個人がやり遂げるものではなく
キャッチボールだ、やりとりの中で仕事がしたい…』
また、川崎市市民ミュージアム
写真とデザインの分野を開拓する、深川氏。
『第1に必要なのはコミニュケーション能力でしょうか。
モノや人とのコミュニケーションがちゃんとできないと
展覧会もうまくやれないし、そのためには
言葉づかいも必要です』
芸術と私達をコミュニケートしてくれる
学芸員、キュレータ−のコミュニケーション、仕事術の
最前線を知ることができる1冊です。