プロ論。3
クラシックのTV番組で「プロからのレッスン」というようなタイトルで
オーケストラとピアノのコンチェルトを
舞台上でピアニストの中村紘子さんがレッスンするという
番組をやっていました。
レッスンをうけるのは、芸大などでピアノを勉強し
コンクールなどで賞をもらっている学生さんです。
中村紘子さんの言葉と演奏にはエネルギーがありました。
「ラフマ二ノフは大男なのよ。だからp(ピアノ)で弾くところも、
体の重みをかけて弾くの。pだから音をおさえて弾くという概念はだめよ。
モーツアルトのp。ベートーベンのp。ラフマ二ノフのpがあるのよ、
作曲した人でpの表現もちがうの。腕だけでなく、体全体で弾くの。」といって、
ラフマ二ノフのコンチェルトのpで弾く部分を体の重みをかけて演奏してみせる。
中村紘子さんの言葉はすばらしく心に響きプロと出会い、
教えてもらう事の意味の大きさを見た思いでした。
今日の1册はプロ論。3 B−ing編集部 編 徳間書店
プロ論シリーズの最新刊です。
プロの言葉に出合い、心に感じるものがあればそれだけで
いいと思うのです。
7つのchapterより構成されていて、
仕事がおもしろくなる50人のコトバが掲載されています。
本文中より御紹介。
●chapter1→仕事ができる人と言われたいときより
中谷 巌氏 多摩大学長 三菱UFJリサーチ&コンサルティング の 文章よりご紹介
「忙しい人も多いでしょう。
しかし、目先の仕事だけに忙殺されていては知識は広がらない。
まず、意識して時間を作ること。この日、この時間は読書にあてようと決めないと、
年だけ取っていく。これでは面白い人間にはなれない。
1年、2年では変わりません。
しかし5年、10年と経つと、やっている人とやっていない人の差は決定的なものになる。
面白いといわれる人になれる。
情報が集まる人になれる。そういう人はすぐ分かるからです。」
●chapter2 揺るぎない実力を身につけたいとき
村上 隆氏 アーティスト の文章よりご紹介
「ルイ・ヴィトンと仕事をして、僕はブランドビジネスの過酷さを知りました。
いかに、日々のすごい努力からブランドが成り立っているかということが分かった。
モノグラムのパターンを百数十出したなんて雑誌に書かれましたが、
僕の勘が悪くて、その前にもたくさんやりとりをしました。
だから200通り以上のデザインを造った。当たり前な作業。
クライアントが気に入るまで、労をいとわず、やり遂げねばならないのです。
必要なら1000パターンでも作り続けなければ。
意外と早くゴールがきたと思ったくらいです。」
●chapter2 揺るぎない実力を身につけたいとき
茂木 健一郎氏 脳化学者 の文章よりご紹介
「自分を客観視することは、「メタ認知」というのですが、
これは成長するのに必要な要素です。
己の弱点を客観視できなくては、大した人物になれません。
それこそ、「プロフェッショナル仕事の流儀」に出てくる一流と言われる人たちは、
皆、それができていますよ。」
今日の1枚はコスモス。