緑陰読書

夏の木陰で読書を楽しむ、涼しげなことば。
この夏の読書のふりかえり。

楽しみにしているメルマガのちょっと前のタイトルがこのことば
「緑陰読書」でした。
素敵なタイトルなので、お借りします。すみません…
季刊誌「考える人」の編集長のメルマガです。
毎回 よみごたえのある文章をたのしみにしています。


「考える人」夏号 
追悼特集 梅棹忠夫 「文明」を探検したひと 

考える人 2011年 08月号 [雑誌]

考える人 2011年 08月号 [雑誌]


ウメサオタダオ展にて、小長谷教授が話されていた、カラコラム・ヒンズークシ学術探検。
1955年 歴史学者シュルマン 文化人類学ランダウアー 動物生態学者である梅棹氏が
1台のフォルクスワーゲンにのり、イスラーム文明からヒンドゥー文明への道のりを調べつつ
車中で異分野交流で論を戦わせた3000キロ 20日間の旅。
梅棹氏は、ひざにタイプをおき、ローマ字で、車中の会話をタイプし続けたという。
「毎日が国際シンポジウムだったでしょう」と
なんとも楽しそうにはなされる小長谷教授の話から、
未知なる国を訪ねていく3人の旅を想像したが、その写真も掲載されてました。
この時のローマ字日記は、のちに「文明の生態史観」へと進化したと書かれています。

そして、梅棹氏のどの写真にもあらわれているオーラはこの一言につきると。
若い頃も、歳を重ねられてからも。

”わたしの人生を決定しているのは、
モチーフは遊びや。プレイや。”
             梅棹忠夫


■本屋散策でみつけた本。
校長先生たちからの心揺さぶるメッセージ
これからを生きる君たちへ
2011年3月、ぼくたちはあの「特別な卒業式」を忘れないー。


この2011年の春に卒業していった学生達に贈られた、
小学校、中学校、高校、大学の校長先生、学長先生のことばを編集した本。


<隔たり>をしっかり見つめ 大阪大学 鷲田清一総長 平成22年度 学位授与式式辞より
文章中より 

”良きフォロワー、リーダーを真にケアできる人物であるためには、
フォロワー自身のまなざしが確かな「価値の遠近法」を備えていなければなりません。
「価値の遠近法」とは、
どんな状況にあっても、次の四つ、つまり
絶対なくしてはならないもの、
見失ってはならぬものと、
あってもいいけどなくてもいいものと、
端的に絶対にあってはならないもの
とを見分けられる眼力のことです。
映画監督の河瀬直美さんの言葉を借りていいかえると、
「忘れていいことと、忘れたらあかんことと、それから忘れなあかんこと」とを
きちんと仕分けることのできる判断力のことです。”



哲学者 鷲田先生のことばは、いつも心にそっとよりそう感じ。




■初めて購入した雑誌。
カーサ ブルータス ニッポン再生の参考書。

Casa BRUTUS (カーサ・ブルータス) 2011年 09月号 [雑誌]

Casa BRUTUS (カーサ・ブルータス) 2011年 09月号 [雑誌]

東日本大震災復興への取り組みを多方向から編集している雑誌。
なんだか力作。
ボランティア&支援リストも大変わかりやすい。
いまできることが書いてあります。
じぶんも、毎月続けてできる
”ふんばろう東日本プロジェクト”に。
建築家の藤本壮介氏とカーサブルータス編集部の3都市首都構想(東京+大阪+広島)は、
驚きの発想。あたらしい日本のかたちがみえる気がします。


■映画も見にいきました。
フレンドリー大阪。大阪なら、現実にありうるかもと思わせるお話。
著者の万城目学という方、人間的魅力を感じます。
プリンセス トヨトミ

プリンセス・トヨトミ (文春文庫)

プリンセス・トヨトミ (文春文庫)



佐々木俊尚氏がこの本で料理していると奥様のtwitterで知って。
野菜料理オンリーですが、バリエーション豊富で、利用しまくりです。
野菜料理を食べやすくするひと手間な工夫がコツかなと。
続 野菜だけ?

続野菜だけ?―目からウロコの野菜を活かす料理技 (野菜料理大図鑑)

続野菜だけ?―目からウロコの野菜を活かす料理技 (野菜料理大図鑑)




村上春樹を2冊。
どちらかというと、小説よりも好き。
ご本人がセレクトしたデビューのことばから、エルサレム受賞式のスピーチ「壁と卵」まで。
タイトルと本文の間に、その文章をかいた時の背景を村上春樹氏が回想して書いていて、
よりいっそうリアリティのあるシーンのみえる編集が、気がきいているというか。
本文をひきたてているというか。

”もしここに硬い大きな壁があり、そこにぶつかって割れる卵があったとしたら、
私は常に卵の側に立ちます。”  村上春樹

エルサレムのスピーチは忘れたくないと思っていたので。
どれをよんでも、村上春樹氏のことばは、こう、なんていうか、
抱いている猫をなでなでしていたい感じ。へんちくりんな比喩だ〜。


村上春樹 雑文集

村上春樹 雑文集

村上春樹 雑文集





大橋歩さんの挿絵入り 村上ラヂオ2です。
アンアン連載エッセイなので、雑文集よりもっと短めの文章。
あこがれのイラストレータ大橋歩 だいすきです。
アンアンは教科書でした。
おおきな かぶ、むずかしいアボカド 村上ラヂオ 2

おおきなかぶ、むずかしいアボカド 村上ラヂオ2

おおきなかぶ、むずかしいアボカド 村上ラヂオ2




河合隼雄さんの本をこれから、読み続けようと思っているので。
私自身インタビュアーで
人との対話は非常にたのしかった仕事のひとつだったので、
対談集というかたちが、好み。
河合隼雄さんが亡くなられる前の、小川洋子さんとの「考える人」での最後の対談。
厳密さと曖昧さの共存 より

”河合:だからこれからは、厳密さと曖昧さの共存をよく考えないかんことになる。
ただしそれは、論理的に矛盾するわけでしょ。
でも矛盾したものを持たないかんということです。中略
僕の言い方だと、それが「個性」です。「その矛盾を私はこう生きました」というところに
個性が光るんじゃないかと思っているんです。”

生きるとは自分の物語をつくること

生きるとは、自分の物語をつくること (新潮文庫)

生きるとは、自分の物語をつくること (新潮文庫)





意識と無意識をつなぐものとしての物語の役割。
物語はつなぐ役割をもっている。
ん?なにかとまたつながりそう。


物語を生きる  今は昔 昔は今

物語を生きる―今は昔、昔は今

物語を生きる―今は昔、昔は今



■3月に心理学者M・チクセントミハイ氏のフロー理論の本のことを書きましたが、
研究されている方twitterで知りました。
このエントリーで紹介されている本を購入しましたが、
まだ未読。
ものすごいアイデアを生み出すカギはすべて「コラボレーション」にあった!
と帯にあります。んん?つながる〜が生み出す〜??
〜おしゃべりとアイデアの関係〜をまず読もう。
わたしの興味はここ1点に尽きる感があります。
”人と話すこと”



凡才の集団は孤高の天才に勝る

凡才の集団は孤高の天才に勝る―「グループ・ジーニアス」が生み出すものすごいアイデア

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